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Team on Air

🗣 スクラムフェス仙台 2022 参加レポート

2022/09/06 00:00

こんにちは、Team on Air 開発チームの @okamomo です。本日は 8/26、8/27 に開催されたスクラムフェス仙台に参加したときの様子をお伝えしようと思います!

スクラムフェス仙台とは

ひとことで言うと、公式サイトで言われている通り、「アジャイルコミュニティの祭典」です。スクラムを導入したい、導入しているという企業のマネージャー、デベロッパー、スクラムマスターなど、スクラムに関わる初心者からエキスパートまで様々な方が参加されていました。 今回私はオンラインで参加しましたが、50 名以上接続しているセッションもあり盛り上がっていました。

1 日目に Keynote が 1 つあり、2 日目には約 20 個のセッションがありました。いくつかピックアップしてお伝えしたいと思います。

Various Scrum Teams

株式会社 Odd-e Japan のエバッキーこと江端さんの Keynote でした。他のセッションでも話題に上がっていましたが、私も江端さんのスクラムマスター研修を受講した一人で、非常に厳しくも考えさせられる研修は印象に残っている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか!

Keynote では、江端さんご自身が話すのではなく、様々な企業のスクラム実践者が登壇し、それぞれスクラムで困ったこと、工夫したことを話されました(この講演に関しては非公開とのことでしたので、企業名や登壇者名は伏せさせていただきます)。この講演で興味深いポイントとしては、どの登壇者もスクラムを実践した場が「ソフトウェア開発以外」だという点です!ソフトウェア開発以外でスクラムを実践したという事例はたくさんありそうなものの、なかなかお話を聞く機会がないので大変貴重なお話でした。

スクラムが実践された場としては、「新卒」「営業」「CTO 室」「人事」など多岐にわたるものでした。ここでは「新卒」と「人事」について取り上げます。

新卒のメンバーが半数でセールスとエンジニアが混在しているスクラムチームでは、業務経験が浅かったり、プロダクトバックログアイテムの作り方に慣れなかったりして、最初はプランニングに一日かかってしまったそうですが、AC を定量的なものにするよう意識したことでまずは半日で進められるようになったとのこと。スクラムを導入した当初は振り返りで何を振り返ったらいいのか分からない状態だったそうですが、日報の中で小さな振り返りをするようにし、振り返りの場でゼロから振り返りをしないようにしたことで、振り返りで発言ができるようになったそうです。ソフトウェア開発以外の場であっても、困ったり工夫したりするポイントは同じようなところで、終始共感ばかりのお話でした。

また、人事スクラムチームでは人事異動が多く属人化を防ぐ必要があるにも関わらず、人事の業務では成果物を用意しないことが多いそう。そこで成果物を用意することを DONE の定義に含め、必ず成果物がある状態を目指すことで、属人化を防ぐことができたそうです。業務によって多様な特徴や文化がある中でスクラムを導入し業務をスクラムに当てはめることで、業務にいい変化が現れている事例として勉強になりました。

様々な場面でスクラムが行われていることがよく分かるご講演でした。Team on Air ではスクラムを採用し、各イベントでのコミュニケーションを音声でサポートするツールですが、ソフトウェア開発ではもちろん、それ以外の場面でもお使いいただけるよう開発しています。今後様々な場面でお使いいただけたらな…と思いながら聞かせていただきました。

パワポカラオケ「スプリントプランニング Deep Dive」

株式会社アトラクタの吉羽さんがご講演予定のところ、体調不良で残念ながらご欠席で、同社の永瀬さんが代わりにご講演されましたが、とても他の方が作った資料で話されたようには思えない、分かりやすい淀みない発表で、日頃のチームワークが垣間見えました。

内容はタイトル通りスプリントプランニングについてスクラムガイドの言葉を交えながら解説されていました(遅れて参加したためパワポカラオケの意味を聞きそびれてしまいました…)。まずスプリントプランニングでスプリントのゴールを決めます。このスプリントゴールはスプリント中は基本的に変えません。なぜなら、プランニングでスプリントゴールを達成するために必要なプロダクトバックログアイテムを選択するからです…という話から始まり、スプリントプランニングで気をつけるべきこと、陥りやすい間違いなど、「このやり方で合っていたんだ」「このやり方は間違っていたから改善していこう」と思える tips が詰まったご講演でした。

スクラムを実践しているチームには心に沁みる言葉がいくつも出てきましたが、一つ取り上げるとすると「生煮えプロダクトバックログアイテムを食べると腹を壊す」。プロダクトバックログアイテムを食べ物に例えているのが面白いですよね!プロダクトバックログアイテムについてチーム全体で合意が取れていないと、プロダクトオーナー(PO)との仕様の確認が何度も発生したり、プロダクトバックログアイテムの規模の予測がはずれたり、PO との認識の相違がスプリントレビューで見つかったりすることで、そのプロダクトバックログアイテムの完成する可能性が出てきます。着手する前に必ず PO と合意をとって、完成できる自信をチーム全体で持つことができてから着手しましょうという話でした。

講演資料はこちらの吉羽さんのブログに掲載されているので、ご興味ある方はブログをご確認ください。

ダイナミックリチーミングから学ぶ、不確実な状況に適応し続けるためのチーム作り

サイボウズ株式会社の大友さんのご講演で、Heidi Helfand さんの著書「Dynamic Reteaming」からダイナミックリチーミングとは何か、リチーミングの 5 つのパターンは何か解説いただきました。

安定したチームは壊してはいけません。これはチームとして必要なことであり、様々な文脈で語られています。しかし、現実的にはチームのメンバーが変わることは発生します。では、どのようなチーミング、リチーミングなら適応していけるでしょうか?リチーミングの方法として 5 つのパターンがあり、それぞれどのような特徴があるか紹介されていました。「ひとりずつメンバーの増減をする」「チームを分割する」「各チームから何人かずつ集めて新たなチームをつくる」「2 つ以上のチームをマージする」「あるチームのメンバーと他のチームのメンバーを入れ替える」がその 5 つです。

1 つだけ紹介すると、「チームを分割する」というパターンでは注意が必要で、どうして分割する必要があるかをチームで納得した状態で分割する必要があります。分割したあと、チーム名をきめ、チームのミッションを確認するとよいそうです。どのようなときに分割するかとよいかの例として「会議時間が長くなったとき」「リモート会議で全員ビデオオフのまま沈黙が続くとき」というものが挙げられていて、確かにチームの人数が多すぎたりマンネリ化していたりすると起きがちな例で腑に落ちました。リチーミングの乱用は避けるべきですが、全体で目的をもった上でのリチーミングは知識のサイロ化を防ぐことができるとのこと、チームによっては検討されるといいかもしれません。

講演資料はこちらのスライド共有サイトで公開されていますので、ご興味ある方はご確認ください。

まとめ

私は初めてスクラムフェスに参加したのですが、予想していた以上にオープンでスクラム初心者でも参加しやすく、スクラム経験者でも学びの多いイベントでした。オンラインと現地でのハイブリット開催でしたが、オンラインでもフィードバックや質問などコミュニケーションが取りやすい雰囲気があり、イベントに使われていた Discord 上でも皆さん話が尽きないご様子でした。今回は一般参加者としての参加でしたが、次回のスクラムフェス札幌で Team on Air はスポンサーとして参加の予定です。スクラムフェスにご興味を持たれた方は次回是非ご参加ください!Team on Air チームも現地でお待ちしております!

最後まで読んでいただきありがとうございました。もしまだ Team on Air をご利用でなければ、現在ベータテスト実施中ですのでダウンロードいただけると嬉しいです。